昨夕は居酒屋 |
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民宿カテラ荘
多少余計に歩かされたものの、後は順調に行く。話し好きのタクシー運転手が独演する「伊良部・下地案内談」を楽しみながら、島中央部の丘を越え、サトウキビ畑の間を走って西の伊良部地区へ。Tが旧知の民宿カテラ荘に落ち着いたのは11時ちょっと過ぎだった。他に泊まり客もなく、部屋は二階の角、121号室と123号室を利用。二方向に窓があり、風の吹き抜ける快適な部屋だ。
宿へ着き、日射しが弱まるまで取り敢えず「解散」して各自適当に時を過ごす。風が充分に通り抜けても暑く、かといって締め切って空調しても充分冷えないのが辛い。独りであることを幸いに、裸同然でこれに対処し、しばしの昼寝と、そして紀行文推敲に励んだ。 |
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宮の華 |
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先程は浜の北側からアプローチしたが、自転車で道なりに行くと浜の南端に出た。ちなみに以前はこの地点が中間点で、浜の全長は800メートル以上あったらしい。潮流の変化などにより、砂が流されてしまったのだろうか。 |
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渡口の浜 7月5日も相変わらず「晴れてはいるが薄い巻積雲が漂う」天気だ。朝食の時にTと顔を合わせると、―― 今朝、宿の廻りを散歩していたら、ご亭主と顔を合わせ、軽自動車を適当に使用して良いといわれた ―― という。「宮の華」の知己ということで、特別待遇を受けたようだ。 | ||||||||||||
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| ビーチには一番乗りだった。 |
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| レンタル料金表。 | T夫人。 |
浜で泳ぐのはのんびり9時半からにする。出がけに一階にある公衆電話から飛行機の予約を取った。フリーダイアルは携帯電話から繋がらなかったためだけれど、この電話中に突然驟雨に見舞われた。かなり強い降りだから、徒歩で出掛けていたならばずぶ濡れになるところだった。舗装に白く砕ける雨脚を半ば呆然と眺める。
雨で多少出発が遅れたものの、7日の多良間島から宮古行き予約も取れたし、幾分涼しくなって快適に出掛ける。徒歩、自転車、など考えたが、結局亭主の好意に甘えて軽自動車を利用させて貰う。浜までは3分だ。
浜の入り口で「伊島観光サービス」が店を開いている。先客は六十過ぎの夫婦とその娘で、シュノーケルセットなどをあれこれ品定めしている。対応していた店の姉さんは、こちらの方は簡単に済むと見定めたのか、彼等を待たして、パラソル、デッキチェアー、ウキマット、ライフジャケットを貸し出してくれた。前払いだけれど、保証金などは必要ない。
ゆっくり出てきたつもりであったが、それでも浜には一番乗りだった。珊瑚の風化したという浜の砂は細かく、そして足当たりが柔らかい。入り口から100メートルほどいったところに、パラソルなどをセットしてベースにする。Tはすぐに泳ぎ始め、それを追うようにして海中に入った。水温はかなり高いけれど、のんびり水中で過ごすにはちょうど良い。しかし久方ぶりの泳ぎは重く、おまけに波に翻弄されるためライフジャケットを着けて出直すことにした。
ライフジャケットの浮力に身を任せ、仰向けになって足で適当に水を蹴りながら移動する。いたって安直で、若い頃ならば物足りなく感じたかもしれないが、今はこれで充分だ。Tもウキマット方式に切り替えて波間を漂う。
先客グループはダイビングポイントへでも行ったのか姿を現さず、若いカップル、(Tが訊いたところでは京都から来た)若い女の子二人と我がグループだけで、それ以上浜に人は増えない。半時間ほどしてTが生ビールのジョッキを携えて戻ってきた。以前彼が来た時は店はおろか屋台もなかったらしい。それも無垢で良いけれど、一泳ぎした後の浜辺で飲み干すビールも捨てがたいものがある。
一時間ほどで浜遊びを切り上げる。少年時代であれば、一日でも倦むことを知らなかったが、今はこの程度で堪能した気分だ。いったん宿へ戻り、着替えてから昨日と同じホテルサウスアイランドへ昼飯(酒)に出掛ける。
相変わらず空いているレストランでのんびり過ごしていると、ロビーの向こうにある喫茶室に、水商売風のオバサンが(客として)出入りするのが見えた。ふと気がついたのは入り口脇に「18歳未満お断り」の注意書き。喫茶室にこれは珍しい。しかしこの後訪れた多良間島のカラオケボックスには「18歳未満は保護者同伴」と記されていたから、宮古地方の少年少女は不自由な生活を強いられているのかもしれない。
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ホテル下のスーパーマーケットで香取線香のジャンボ缶を持っておどけるT。ちなみにこの線香は通常の1.5倍ほど長い。インターネット通販では1,029円が安値であったが、この店では837円で売っていた。 |
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| 下地島空港。この日ジャンボ機はいなかった。 |
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| 通り池。地上から見ても面白くない。 |
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| 二泊目の夕食。 |
二時間ほど昼酒を楽しんだ。帰途Tが「この先におでん屋があるのを知ってるか?」という。朝の散歩中に見付けたらしい。真ん前まで行って「コレだ」と指され、見落として当然と思った。道に面してこそいるが、飲み屋らしいところはさっぱりない小屋がサトウキビ畑に割り込んだように建ち、ドアの脇に打ち付けられた板にオデンと手書きされていることでかろうじて判る。一昨日の味1番といい、宮古には風変わりな飲み屋が多いのだろうか。ともかく此処で飲んでみたいとは思わない。
シェスタ(?)で、暑気が静まるのを待ち、4時半を廻って島一周に出掛ける。一周約20キロは自転車で廻れるとしても、暑さにそのような気力は根こそぎ奪われ、軽自動車を有り難く拝借してのドライブとなった。
最初に渡口の浜を再訪し、しばらく散歩。北へ向かい県道90号線で川としか見えない海峡を、橋で下地島へ渡る。道なりに行くと下地島空港にぶつかった。この飛行場はジェットパイロットの訓練用として89年から供用開始され、一時期は南西航空により一般旅客にも利用されていたらしい。
現在は訓練専用になり、ジャンボ機がタッチアンドゴーを繰り返すのを間近に見るのはかなり面白いらしいが、残念ながらこの日は訓練終了後だった。ちなみにこの空港を管理しているのは沖縄県で、ANAやJALが自社の飛行機を持ち込んで訓練に使用するらしい。従って見る
日により機種が変わっている可能性も充分ある。
空港を後にして下地島の西部にある通り池へ移動する。この池は地下で海と繋がり、「淡水と海水の水質、温度差が作り出すサーモクラインと呼ばれる水中の現象」が素晴らしいらしいが、これを見ることが出来るのはダイバーだけの特権で、地上から見ていると単なる水溜まりに過ぎない。
伊良部島へ引き返して佐和田の浜。この浜は96年、日本の渚・100選(運輸省がやったらしい)に認定されたとのことだが、これも陸上から見る限りでは魅力に乏しいところだった。
北上して
車を返す前にガソリンを満タンにするが礼儀かとTに訊いたが、スタートした時点が満タンで、それからの走行が十数キロでは、ほとんど追加の余地がなさそうだ。
この日も同宿者はなく、昨晩同様の寛いだ晩餐となった。宮の華も上手い具合に過不足を感じることなく空になった。
多良間島へ向けて
7月6日も、相変わらずの晴れてはいるが、うっすらと巻積雲が流れる空だった。多良間島へのフェリーが出る時刻から逆算して、8時半の出発をあらかじめ伝えると、宿の主が佐良浜漁港まで送ってくれるという。タクシーの利用を予定していたが「遠慮しないで」の言葉に甘えることにする。
二泊三人の料金は締めて29,000円だった。宮の華の一升瓶を含み、さらには一日軽自動車を提供されてのことだから格安といえよう。改めてオカミサンに礼を述べ宿を出発する。